「お前が明日死ぬのなら僕の命は明日まででいい――お前が今日を生きてくれるなら、僕もまた今日を生きていこう」    by 阿良々木暦

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

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西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト)

評価:☆☆☆☆

化物語の前日談。暦がキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレイドに血を吸われ、吸血鬼になって、その後2人が「人間もどきの吸血鬼ごとき存在」と「吸血鬼もどきの人間ごとき存在」になるまでの話。

それにしても忍ちゃんの元の名前、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレイドは長い名前だなぁ。そして適当だな。

内容は上記の通りで結末がわかってはいるんだけど、”話”の書き方というか”会話”の書き方がうまい。

しかし戦いの描き方はあんまりうまくなかったりする。

アニメ『化物語』の冒頭では、この傷物語のハイライトシーンが壮大なBGMとともに描かれている。傷物語を読んでアニメを見た人にとってはかなり衝撃的だったんじゃないだろうか。今見返すとよくわかる。

その中でも衝撃的な羽川のパンチラ・・・もとい、パンモロシーンだが、この傷物語において4ページにわたって事細かに描写されている。・・・作者は病気である。

しかし阿良々木暦という男は羽川のパンツ見ることは愚か、ほかにもあんなことやこんなことをしているのだ。しかもギロチンカッターとの戦いの前には、「もうわたしにできることもなさそうね」という羽川に対して

「いや、お前にできることはある」

・・・(中略)・・・

「待っててくれ」

「……………」

「新学期、あの学校で。僕のことを待っててくれ」

という羽川も思わず「ピピピ、ピピピ、ピピピ」という「ときめいた音」を出してしまうセリフを吐いておきながら、結局化物語において戦場ヶ原ひたぎを選ぶのだ。ひどい男である。

ひどい男だが、弱ってるものには等しく優しくてのう。それが今回のような事件を起こすのだが。

例のごとくあとがきで

『化物語』が百パーセント趣味で書かれた小説ならば、『傷物語』は百二十パーセント趣味で書かれた小説です。

と書いてある。しかし、ちゃんと読み手を意識していて、どういうストーリーでどんなセリフを言えば、おもろくなるか考えてるなぁと思う。

最後に忍野のセリフを引用してこの文章を結ぶことにする。

「人間の身勝手とでも言うのかな。君が吸血鬼の人食いに嫌悪を覚えたのは、言ってみれば可愛らしい猫ちゃんが鼠を食べているシーンを見て幻滅するのと同じだよ。そして君は、いわばペットとして吸血鬼を飼うことを選んだんだ。牙を削って爪を抜いて喉を潰して去勢して――ね。ペット扱いされた君が、主人をペット扱いし返した。今回の話はね、それだけのことなんだ。そう考えると――さして美談でもないな」