西尾維新

傾物語

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 世界を救ってくれというのは僕の勝手なお願いで、聞く耳を持つ必要なんて全然ない。  でも、阿良々木くん。  目の前の女の子は救ったほうがいい。 傾物語 (講談社BOX) 著者:西尾 維新 出版社:講談社 西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 評価:☆☆☆ あんまり八九寺出てこなかった。 p.18 “立てば暴力座れば破壊歩く姿はテロリズム” → 立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花 タイムパラドックス&矛盾の説明面白かった。 「まあタイムパラドックスってのは、時間移動によって生じる矛盾のことだよ」 「矛盾ってなんじゃ」 (略) 「まあまあ、いずれにせよこの子供は言ったわけだ、商人に指を突きつけて。『最強の矛によって貫かれたらその盾は最強ではないし、最強の盾によって防がれるのならその矛は最強ではない。よっておじさん、あなたの言っていることは理論的に矛盾している!』」 「そこで矛盾という言葉が出てくるのはおかしいじゃろ」 「うん。つまりこれがタイムパラドックスだ」 意外と綺麗なところに着地できた。 もうひとつ。 「ちなみにお前様。セブンーイレブンは、一般的には、今儂がそう言ったように、最初の頃、朝七時に開店して、夜十一時に閉まるから『セブンーイレブン』というネーミングがなされたと思われておる節があるが、それは実は後付けじゃと知っておるか?」 「えっ?」 「本当は、創始者たちが当時、組織していたサッカーチームのチーム名から取ったのじゃ。じゃから、最初の五年はセブンのつづりが違った」 「へぇ、そうなんだ!」  知らなかった!  なるほど、サッカーチームね!  じゃあじゃあじゃあじゃあ、つづりが違う方のセブンっていうのは、どういう意味だったんだろう!? 「まあ嘘じゃがの」

猫物語(白)

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「阿良々木くん……どうしてここに?」 「おいおい、馬鹿なことを訊くなよ、羽川」 傷つくぜ、と阿良々木くんは言う。 「お前がピンチなんだ。僕が駆けつけないわけがないだろうが」 猫物語 (白) (講談社BOX) 著者:西尾 維新 出版社:講談社 西尾 維新 (著) 評価:☆☆☆ いつもは阿良々木視点で物語が進むが今回は羽川が語る感じで物語が進行する。そういえば、シャーロック・ホームズでもワトソン君が語らない事件があったなぁと思ったら、本文中でも、それについて言及してた。 羽川が見た怪異の正体を羽川が”推理”していく感じのストーリーなんだが、なんかかなぁ。推理小説じゃないから、推理に文句をつけてもしょうがないのだが、今回は衝撃を受けるところがなかったなぁ。でも、感動させる文章はさすがですね。言葉遊びもうまい。 阿良々木が学校を休んで何をしていたかは謎。それが最後にわかれば面白かっただろうに。それは次回にわかるのだろうか。 メモ p.10に ふと伸ばした足の爪先までが自分であるとはとても思えないと記した文豪がいたはずだが、 とあるが、調べてもわからず。わかったことといえば谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」にものすごい足フェチな老人が出てくることくらい(参照)。 p.60 「今はこれが精一杯」はカリオストロの城ですね。ルパンの一番くじ、そんなのあったんだ。 p.85 もやしは漢字で書くと『萌やし』。 「もやしっ子って、実はすごい褒め言葉なんじゃなくって!?」 p.215 “手術台の上のミシン”はデペイズマン (dépaysement) というシュルレアリスムの手法と関係あり?『ミシンと洋傘の手術台の上での不意の出会いのよ うに美しい。』